当社グループは『2023年3月期にグループパチンコホール1000店舗体制、シェア10%』を目標に、今後年間40店舗以上の高速出店が可能な体制づくりを進めております。
現在、パチンコホール業界における当社グループのマーケットシェアは2018年3月末時点で約4.7%。これは上位10社の合計シェアでもわずか16.5%に過ぎないという業界特性を反映した数字と言えますが、当社は市場シェアを10%とし、業界内での確たるポジションをめざしています。
パチンコ業界が順風とは言えない状況の中、シェア10%、1000店舗を達成するためには年間40〜50店舗の出店を続ける必要があります。グループ全体で目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
そのためにはグループ会社の再編成はもとより、多くの社員がチェーンストアを運営していく技術を身につける必要があり、人材育成のプログラムをさらに充実させていくつもりです。
現在グループ従業員数は18,000名を超え、2019年には事業拡大にともなって100名の新卒採用を計画しております。2023年3月期末までの長期目標の達成に向けグループ一丸となりチャレンジを続けていくためには、豊かな人材を有することが必要だからです。
当社グループでは1989年より、大学卒業者を中心に積極的な新卒採用を行い、直近10年では年間で300名を超える新入社員を迎え入れてきました。当社グループが新卒採用に力を入れるのは、チェーンストアを運営する技術を身につけるためには相応の経験を積まなければ不可能なことであり、その技術を身につけた人材が多く育つことで、次の出店が可能になるからです。そして一方で20年前後のキャリアを積んだ社員は、幹部社員としてそれぞれのポジションで手腕を発揮しており、こうした社員層の厚みが当社グループの強みだと考えています。
また新卒採用の中で、女性社員の採用比率を25%程度まで上げたいと計画しています。店舗を訪れるお客さまの2割は女性であり、店舗に女性スタッフがいて女性の視点が行き届くことで、女性のお客さまにより満足いただける店舗を作ることができると考えるからです。顧客の拡大という面からも女性が来店しやすい店舗作りは重要だと思っています。さらに、メンターという形で女性の先輩を1対1でつけるなど、教育体制にも工夫をしています。
このように、それぞれのキャリア、それぞれの特性に応じた働きを堅実に積み重ねることで、業績の拡大が可能になるのです。
パチンコホール業界のリーディンクカンパニーとして、業界全体の信頼度を高めたい、業界のイメージアップに貢献したいという思いがあり、それが2012年8月6日のパチンコホール業界で初めての香港証券取引所メインボードへの株式上場につながりました。この上場が業界全体にインパクトを与え、業界のステータスアップに貢献していくだろうと確信しています。
香港証券取引所では日本企業初のプライマリー上場であり、またパチンコホールオペレーター企業としては世界初の上場企業です。世界3大金融センターの一つである香港は世界基準によって評価されており、香港での上場は当社グループが世界基準によって評価されることにつながります。
香港証券取引所に上場した翌年の2013年1月、アジア圏での新規ビジネスの調査・投資を行う目的で、香港現地法人 ダイナム香港を設立致しました。ダイナム香港を通じて、当社グループが長年にわたり培ったノウハウや人材を活かせる各種ビジネスの情報収集・調査、投資を行い、アジアでのビジネスコラボレーションを図ってまいります。 2016年、香港・マカオ・珠海(広東省)を結ぶ港珠澳大橋の完成により、人の往来ばかりでなく物流も一変すると考えられます。当社グループとしては、マカオの新たな観光客に対してパチンコのようなマスマーケット用のゲームを提供していくことが可能かどうか調査を進め、関係機関と協議を行っていく予定です。
投資においては、マカオにおけるカジノ運営の大手企業の一つであるマカオレジェンド社、シンガポールに本社を置き、オンラインゲームのソフト開発および運営を事業とするIGG 社に投資を行っています。
2012年8月の香港証券取引所上場以降、様々な関係者とお会いする中で、特に2020年東京オリンピック誘致が決定したあたりから、日本におけるカジノ誕生への注目が増してきたことを感じます。ラスベガス、マカオ、シンガポールまたはマレーシアのカジノオペレーターたちはすべて日本のカジノマーケットに関心を持っています。
当社グループにおける50年の歴史を踏まえ、次の投資先として日本におけるカジノは非常にふさわしいものと考えています。マカオで知識を蓄積するチャンスにも恵まれていますし、日本でのカジノ参加が決定すれば、当社グループの新たな事業の柱になることは間違いありません。
「パチンコホール経営は不透明で分かりにくい」というイメージを変えるべく、当社グループでは上場以前から、積極的な情報開示を行い、経営の透明性確保に努めてまいりました。1997年3月期決算より、パチンコホールオペレーター企業では初めてとなる決算説明会を開催し、金融機関・アナリスト・メディア関係者への業況説明を継続してまいりました。また、パチンコホールオペレーター企業では初めて投資適格の格付け取得や複数の金融機関によるコミットメントライン、シンジケートローンの組成などを受けており、主要金融機関との長期にわたる信頼関係を構築しております。
さらに、法務・リスク管理・内部監査部門には、100名以上の人員を配置しており、リスクの事前排除、潜在的リスク要因のチェック・監査、顕在化したクライシス案件による被害拡大の抑止・再発防止策の速やかな実行などを行なえる体制を整えております。
当社が株式上場をめざした理由のひとつはステークホルダーとの信頼関係を重視する経営を行ってきたという点にあります。当社を応援してくださるすべての方に出来る限りのお返しをしたいと考え、株主の方々には配当性向45〜50%を目安とした高配当を行っております。
今後も当社グループは、国内での確たる基盤を築きながらさらに新たなビジネスチャンスを模索し、海外における新規ビジネスへの進出もはかっていくつもりです。引き続き株主の皆様への還元と企業の成長性を確保してまいりたいと考えます。
株主・投資家の皆さま、金融機関を含む多数の取引先の皆さま、従業員、地域社会の皆さまとともに、当社グループの企業理念にあるように「信頼」と「夢」を育み、さらなる企業成長に挑戦してまいります。引き続き当社グループ事業へのご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。